「過去数十年間、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)のガイドとしては、その限界が研究によって示されているにもかかわらず、主に血管造影のみが用いられてきました。血管造影は3次元的構造を2次元的に表示するものであり、冠動脈の構成はわずかな描出しかできません。さらに、血管造影による石灰化の重症度や位置の定量化は不十分であり、プラークの組織性状に関する情報も得られず、さらに正確かつ再現性の高い内腔のサイズ測定を行うこともできません。光干渉断層撮影法(OCT)では、分解能の極めて高い(10~20 mm)画像が得られるため、患者の治療方法を根本から変えることができると期待されています。」1
OCTガイド下のPCIと血管造影のみを比較した複数の試験の結果、OCTによる血管内イメージングではより優れた臨床結果が得られることが示唆されています3。
試験 | 症例数 | 結果 |
---|---|---|
CLI-OPCI I試験 (EuroIntervention, 2012) | OCTガイド335例 vs 血管造影ガイド335例 | OCTガイド下のインターベンションを受けた患者にて心臓死およびMACEの発現率が低下した1。 |
ILUMIEN I試験 (EHJ, 2015) | 418例 | OCTイメージングが医師の意思決定に影響を与えたのは、PCI施行前では全症例の57%、PCI施行後では27%であった2。 |
ILUMIEN III試験 (LANCET, 2016) | 450例(OCT 158例、IVUS 146例、血管造影146例) | OCTガイド下のPCIでは、血管造影ガイド下のPCIと比較してステント拡張性と手技成功率がともに高かった3。 |
DOCTORS試験 (CIRC 2016) | 240例(NSTEMI) | 非ST上昇型の急性冠症候群患者において、OCTガイド下のPCIは血管造影ガイド下のPCIよりも術後のFFRが高いことが示された4。 |
PAN-LONDON試験 (JACC CARD INT, 2018) | OCT 1,149例、IVUS 10,971例、血管造影75,046例 | OCTガイド下のPCIは、標準的な血管造影ガイド下のPCIと比較して、手技成績、院内事象および長期生存率の改善が認められた5 |
1. CLI-OPCI: DOI: 10.4244/EIJV8I7A125 2. ILUMIEN I European Heart Journal (2015) 36, 3346–3355 doi:10.1093/eurheartj/ehv367 3. ILUMIEN III: Lancet: https://doi.org/10.1016/S0140-6736(16)31922-5 4. DOCTORS: https://doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.116.024393Circulation. 2016;134:906–917 5. Pan London: JACC Cardiovasc Interv. 2018 Jul 23;11(14):1313-1321. doi: 10.1016/j.jcin.2018.01.274.
無作為化試験、観察試験およびメタアナリシスから得られた多数のエビデンスから、血管内イメージングガイドを使用することでMACE、MI、STおよびCV死亡率の低下が得られることが示されています4。
ULTIMATE試験5、ADAPT-DES試験6、IVUS XPL試験7では、イメージングガイド下のPCIは血管造影ガイド下と比較して、心血管死亡、TVFおよびMACEのリスクが低減されることが示されています。
*ULTIMATE試験、ADAPT-DES試験およびIVUS XPL試験は血管内超音波法(IVUS)と血管造影ガイド下のPCIとの比較試験です。
ULTIMATE試験は近年実施された無作為化比較対照臨床試験であり、医師によって90%以上のステント拡張が達成された場合に患者転帰が改善されることが実証されています5。この至適化目標に到達した患者は「至適PCI」症例として分類され、至適されなかった患者を有意に上回る結果が得られました。
至適な拡張を達成することで有害心イベントの発現率が低下することが示されています8。PCI施行時におけるステントの拡張不足は、ステント血栓症や再狭窄といった有害事象の指標とされています8。
IVUSガイド下のステント留置では、血管造影ガイド下のDES留置よりも良好な臨床転帰が得られています9。
転帰:
死亡 |
---|
OR 0.62 (CI: 0.54-0.71), p<0.001 |
MACE |
---|
OR 0.77 (CI: 0.71-0.83), p<0.001 |
ステント血栓症 |
---|
OR 0.59 (CI 0.47-0.73), p<0.001 |
TVR |
---|
OR 0.82 (CI: 0.68-0.98), p=0.03 |
略語:MACE=主要有害心イベント、OR=オッズ比、CI=信頼区間
表の出典:Zhang Y et al. BMC Cardiovasc Dis 2015;15:153
試験8件[3,276例(IVUSガイド下1,635例、血管造影ガイド下1,641例)、平均フォローアップ期間1.4±0.5年]のメタアナリシスでは、複雑な冠動脈病変にIVUSガイド下でDESを留置した場合、MACE、TVRおよびTLRが有意に減少することが実証されています10。
MAT-2112778 v1.0
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