OCT Intravascular Imaging

OCT Intravascular Imaging

LIGHTLAB CLINICAL INITIATIVEのデータからPCIにおけるOCTの有用性が実証されています

LightLabは、カテーテル検査室のワークフロー、安全性、効率性の改善を目的として、日常のOCTワークフローである MLD MAX, を使用した場合に、医師の意思決定やPCI施行時の手技効率にどのような影響が生じるかを評価するようデザインされた多施設前向き観察臨床研究です。

経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は、3次元的構造を2次元的に表示する血管造影ガイド下で行われるのが一般的です1。ただし血管造影では動脈の血管壁を描出できないため、血管のサイズやプラーク特性を評価することができず、さらにステント留置の結果を直接確認することもできません2。LightLabでの最新データでは、カテーテル検査室における血管造影による制約についての理解が進むとともに、OCT使用の有益性が強調されています。

OCTによって不明瞭な点が解消されると、血管の前処置、ステントのサイズ決定・拡張の判断にも影響します3

88%の病変
OCTによって血管造影での 形態評価を変更3
ほぼ 2例中1例 の病変
OCTによって血管造影での 形態評価を変更3
91% のISR病変 z
PCI前のOCTによって血管造影での 診断・治療判断を変更5
ほぼ 3分の1 の病変 z
OCTによって血管造影での 血管前処置の方針を変更4
平均 80% の最小拡張 z
OCTワークフロー(MLD MAX) によって達成3

1. OCTによって血管造影での判断を変更 - 88%の病変 3

医師が MLD MAX workflow を用いたOCTで得られるすべての情報を検討したところ、88%の病変で血管造影による評価から判断が変更されました。最も影響が大きかったのはステント留置前であり、組織性状の評価、血管の前処置、ステントのサイズ決定に関する判断で、これは最終的なステント拡張に影響する重要項目です。至適なステント拡張を得ることにより、PCI施行時の主要な心臓有害事象の発現率を軽減できることが証明されています2

ワークフローの進行に伴うOCTの累積的な影響

2. OCTによって血管造影での形態評価を変更 - ほぼ2例中1例の病変 3

医師がOCTを用いて病変の形態やプラークの組成を評価したところ、約半数(48%)の病変で血管造影ガイド下での評価が変更されました。OCTでは分解能の高い画像が得られるため、病変の形態に関してさらに情報を得ることができます。これは特に石灰化が認められる場合、血管の適切な前処置と治療をどのように行うかを判断する上で重要です。石灰化が広範囲に及ぶと、PCI手技や最終的なステント拡張に悪影響を及ぼす可能性があります2

OCTによって48%の病変で組織性状評価を変更

3. OCTによって血管造影での血管前処置の方針を変更 - - ほぼ3分の1の病変 4

至適なステント拡張を達成するには、適切な血管評価、病変の前処置、サイズ決定が不可欠です。

医師がOCTで病変の形態と重症度を評価したところ、血管前処置の方針が変更されました。血管の前処置方針を変更し、OCTで確認された主な組織性状は石灰化でした。血管造影では形態的な病変の重症度が実際よりも低く評価され、治療方針に影響を与えることがあります。

血管前処置の方針変更

4. PCI施行前のOCTによって血管造影での診断と治療の判断を変更 5

医師がISR病変でPCI施行前にOCTを使用したところ、91%の病変で血管造影での診断と治療の方針が変更されました。OCTではISRの診断が行えるほか、ステント不全のメカニズムを正確に特定することが可能です。これはISRの治療方針に影響します。LightLabでは、ISRのメカニズムに関する血管造影での評価がOCTによって変更された病変は48%となっています。そのうち4分の1が血管造影ではISRとして見逃されていました。

ステントの拡張不足によるISRと新生内膜の過形成によるISRでは治療方針が異なるため、ステント不全のメカニズムを特定することは治療計画を立てる上で最も重要です2。ステント不全のメカニズムを理解するためには、血管内イメージングによるISRの分析が不可欠であり、OCTが望ましい手法とされています2

ISRの治療方針
アルゴリズムの出典:Ziad Ali, MD. CHIP guided by OCT, A Case Based Discussion, TCT 2017

5. MLD MAXワークフローによる至適なステント拡張 3

至適な拡張を得ることによってPCI施行時の主要な心臓有害事象の発現率を軽減できることが証明されています2。施術者はMLD MAXワークフローに従うことで、平均80%の最小ステント拡張が得られています。

OCTでは拡張不足の検出が容易に行えます。OCTソフトウェアでは、血管のテーパードと側枝を考慮したTapered Reference Modeを用いて、自動的に拡張率(%)を計算し、拡張不足の領域は赤で、拡張良好の領域は白で強調表示します(下図)。

OCT Tapered ステント拡張不足
例1:OCTソフトウェアで検出されたステント拡張は67%となっています(A)。これはMSAが80%以上または90%超という推奨拡張目標2に基づき、ステントが十分に拡張されていないことを意味します。ソフトウェアでは拡張不足の領域が赤で、十分に拡張された領域が白で強調表示されています。これはアンジオ同期機能(B)とステントレンダリング機能(C)でも確認することができます。
OCT Tapered Stent Expansion
例2::OCTソフトウェアで検出されたステント拡張は86%となっています(A)。これはMSAが80%以上または90%超という推奨拡張目標2に基づき十分に拡張されていることを示す白で強調表示されています。ソフトウェアのアンジオ同期機能(B)とステントレンダリング機能(C)でも、十分に拡張されたステントが白で表示されています。

参考文献

  1. Reyes, M. The next innovation in PCI is not a stent. The value of OCT. CathLab Digest. Oct 6, 2019. Volume 27, Issue 10.
  2. Räber L, et al. Clinical use of intracoronary imaging. Part 1: guidance and optimization of coronary interventions. An expert consensus document of the European Association of Percutaneous Cardiovascular Interventions. Eur Heart J. 2018;39(35):3281-3300.
  3. Bezerra, H. et al: Analysis of changes in decision-making process during OCT-guided PCI -Insights from the LightLab Initiative. EuroPCR2020 Presentation.
  4. Croce, K. et al: Optical Coherence Tomography Influences Procedure and Vessel Preparation Decisions During Percutaneous Coronary Intervention– Insights from the LightLab Initiative. TCTConnect2020 Presentation.
  5. Croce, K. et al: Effect of a Prescriptive Optical Coherence Tomography Guided Strategy on Treatment of In-Stent Restenosis– Insights from the LightLab Initiative. TCTConnect2020 Presentation.

MAT-2112777 v1.0